私の一番愛らしい女性。

相手は幼稚園年長さんの6歳の女性。

彼女はイケメンな父親、美人の母親から生まれた兄妹の三番目の末娘。彼女の兄もそこそこ普通。すぐ上にいる姉は母親に似て美人。この家族の末娘として生まれたのが彼女。

6年前の6月1日に元気に生まれた赤ちゃんは、とっても可愛らしく家族、親族からもたくさんの愛情をもらって育った。
特に父親の祖父はとても可愛がり目に入れても痛くない程に孫娘を溺愛していた。
彼女は父親の遺伝子を受け継ぎ、父親を通り越して祖父の顔にそっくりすぎる程、そっくりであったから。
なんなら祖父の子供では?っと疑いたくなるほどによく似ていた。

彼女自身は気づいていないが、家族は悟った。
これは『やばい』っと。

なぜ『やばい』かって??
祖父の顔立ちはびっくりするぐらい目付きが悪いのだ。
横になってテレビを見ていても、起きているのか起きていないのか分からないほどの細い目。家族はテレビを消しては『起きてるぞ!!』っといつも怒らせてしまう。
スーパーで知らない人が避けていくくらいの細くきつい目付き。

彼女はそんな祖父の一番『やばい』部分をしっかりと受け継ぎ、父親は驚愕をした。

彼女の将来が心配だ。。。年頃になった時に落ち込まないかとても心配だと。
父親なりの彼女の幸せを願っての心配だった。

ある日突然それは前触れもなく起きた。
彼女からの悩み相談だった。
『幼稚園のお友達たちに可愛い子が多くて、皆お互いに誉め合うんだけどぉ、、私だけみんな誉めてくれないの。持ち物や洋服は可愛いって誉められるんだけど、どうして??』

父親の心配は的中した。
たったこの世に生まれて6年。時がきてしまったんだと思った。
一瞬時が止まり、どうしたら良いか分からなかったが、ゆっくり時間が動いて彼女に返事をした。

『あなたは可愛い。とても可愛い。家族のみんなはいつだってあなたが可愛くてたまらないの!だからそんなに気にしなくて良いと思うよ?』

彼女は『ふーん。そうなんだ。』
不服な感じで返事を返してきた。

複雑な気分ではあったが、私の中の、彼女への真実の言葉を送ったのだ。
それ以上にお互いに話すことはなくなった。

それでも思った事がある。
どんなに小さい子供であっても、女として美しさを求めるのだと。本能なのだと。
6歳でも女性だと感じた思い出の日。